WHOが緊急事態を宣言！エムポックス（サル痘）の現状と今後：感染症対策の最新動向

2024年8月14日、世界保健機関（WHO）はエムポックス（旧称：サル痘）に関する新たな国際的な公衆衛生緊急事態宣言を発表しました。

エムポックスは、主にアフリカを中心に、特にコンゴ民主共和国やその周辺国での流行が深刻であり、ウイルスの新しい変異株が確認されたことで、その感染力や重症度が従来よりも高いことが懸念されています。

WHOは、感染がさらに他国へ広がるリスクがあると警告しており、国際社会全体での協力が求められています。

今回はエムポックス（旧称：サル痘）とは一体どんな感染症なのか？日本でも感染する可能性があるのか？についてご紹介します。

1.エムポックス（旧称：サル痘)とは？

エムポックス（旧称：サル痘）は、サル痘ウイルス（Monkeypox virus）によって引き起こされるウイルス感染症です。

エムポックスは、動物（特にげっ歯類）から人間に伝染し、人から人へも感染することが確認されています。

感染経路は、感染者との密接な接触や体液、皮膚の病変部位、汚染された物質などを通じて広がります。

エムポックスの症状には、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、倦怠感、そして体や顔に発疹が現れることが含まれます。

発疹は最初に顔に現れ、その後、体の他の部分に広がることが多いと言われています。

発疹は最初は平坦な紅斑として始まり、次第に膿疱や水疱に進展し、最終的にはかさぶたになり、軽度であれば数週間で治癒します。

エムポックスが2024年に入って再び拡大している主な理由は、ウイルスの新しい変異株が出現し、その感染力と重症度が増しているためです。

この新たな変異株は、従来のものよりも広範な症状を引き起こし、特に若年層や免疫力の低下した人々に対して深刻な影響を与えています。

さらに、エムポックスは従来の感染経路である動物から人への感染だけでなく、性的接触を通じて人から人への感染も増えており、このことが流行の拡大を加速させています。

特に、感染が確認された地域では、感染者が自覚症状のないまま他人にウイルスを広げるリスクが高まっており、これが感染拡大を引き起こしているのです。

2024年現在、エムポックスの感染拡大が特に懸念されているのは、アフリカ大陸の中でもコンゴ民主共和国を中心とした中央アフリカ地域です。

引用元:WHO公式サイト

ここでは、ウイルスの新しいクレード（変異株）が出現し、主に子供や若者に深刻な影響を与えています。

この地域では、衛生状態が悪く、医療インフラが脆弱であることも、感染拡大の一因となっています。

他にも、国際的な移動が活発な先進国でも、再びエムポックスの感染が広がる可能性が指摘されており、アフリカからの移民や旅行者が多い欧州やアメリカ合衆国でも注意が必要とされています

日本においても、エムポックスの流行は他人事ではありません。

特に、日本は多くの外国人観光客やビジネス渡航者を受け入れているため、海外からエムポックスが持ち込まれるリスクが常に存在します。

また、エムポックスは密接な接触によって感染するため、国内でも一度感染が発生すると、都市部を中心に拡大する可能性も懸念されています。

2022年以降、日本国内でもエムポックスの感染が確認されており、2024年までに少なくとも30件の感染例が報告されています。

これらの感染例のほとんどは、海外渡航歴がある人々の間で発生しており、その一部は男性同士の性的接触を通じて感染したとされています。

2024年8月現在、日本ではエムポックスの新たな感染は報告されていませんが、政府は引き続き空港や港湾での検疫強化を実施し、感染が疑われる症例に対する厳重な監視を行っています。

また、感染が確認された場合には、指定医療機関での迅速な隔離と治療が行われる体制が整えられています。

エムポックスはアフリカを中心として感染拡大が続く中で、新たな感染が他の地域に拡大するリスクは依然として高い状況です。

特に、感染が確認されているアフリカ諸国では、医療体制が脆弱であり、効果的な対応が難しい現状があるため、感染が持続し、さらに広範囲に拡大する可能性が懸念されています。

一方で、エムポックスは主に密接な接触を通じて感染が広がるため、COVID-19（新型コロナウイルス）のように急速に拡散する可能性は比較的低いと考えられています。

エムポックス（サル痘）は、空気を介して広がる心配が少なく、拡大のスピードも遅いため、コロナウイルス（COVID-19）のように日本国内で一気に感染が拡大するリスクは非常に低いと考えられます。

しかし、エムポックスの新たな変異株が出現しており、その感染力が強くなっている可能性もあります。

また、特定のリスクグループ、例えば性的接触によって感染しやすい人々に対しては、特に注意が必要です。

今後、感染が確認されている地域への渡航の際には、ワクチン接種や衛生対策を徹底することが重要となるでしょう。

ライター：小次郎

YoutubeやTiktokで流れてくるゴシップや時事ネタの中毒者。最近の口癖は「2025年はヤバい」