ROBLOXゲームで時給2600円のアルバイト!?IKEAのROBLOX戦略
IKEAが人気の仮想空間であるROBLOX(ロブロックス)に新しい店舗、「The Co-Worker Game」を2024年6月24日よりオープンすることを発表しました。
「The Co-Worker Game」は、ユーザーがIKEAの仮想店舗で働ける体験型のゲームです。
ユーザーは、ROBLOX内のIKEA店舗でお客様をサポートしながら、スキルを磨き、部署を移動して昇進することができます。
「The Co-Worker Game」では10名限定で実際に給与が発生するアルバイトも募集しており、このアルバイトは2024年6月3日〜6月16日の期間に募集され、時給13.15ポンド(約2600円)が支払われます。応募条件は18歳以上で、英国またはアイルランドに住んでいることです。
目次
IKEAのこの取り組みは、従来のROBLOXマーケティングの手法を超えて、ROBLOXユーザーとの新しい関わり方を模索する試みと言えます。
本記事では、IKEAのROBLOX戦略の革新性と利点について考察していきます。
ROBLOXを利用したIKEAの挑戦
これまでNIKE、GUCCI、Walmartを始めとして数多くの企業がROBLOX上で自社のブランドやサービスをゲーム化することで、ROBLOXユーザーとのエンゲージメントを深めることに挑戦してきました。
一方、IKEAは、仮想空間でユーザーを雇用し、実際の店舗運営の一部を仮想環境に移行することで、メタバースにおけるユーザー体験を再定義しています。
このIKEAの取り組みは、ROBLOXにおける企業コンテンツにおいてこれまでにない革新的な挑戦と言えるのではないでしょうか。
・詳細なフィードバックの収集
IKEAは、ROBLOXユーザーを雇うことで、仮想店舗の運営やユーザー体験についてリアルタイムで詳しいフィードバックを得ることができます。
このフィードバックは、雇用という形で報酬が発生するため、より正確で貴重なものとなります。これにより、IKEAは「The Co-Worker Game」の運営で得たデータを実際の店舗運営やマーケティング戦略に活かすことが期待できます。
・口コミ効果と二次拡散
「The Co-Worker Game」に雇用されたROBLOXユーザーは、その体験の斬新さから友人やフォロワーに自身の体験を共有することで、自然発生的な口コミ効果が期待できます。
さらに、ゲーム実況配信やSNSでのシェアによる二次拡散は、IKEAに大きな広告効果をもたらすかもしれません。
・ブランドエンゲージメントの強化
ROBLOXユーザーが「The Co-Worker Game」で働くことで、IKEAとの深いエンゲージメントが形成されることが予想されます。これは、雇用された個人だけでなく、その周囲のユーザーにも波及効果をもたらし、全体的なブランドロイヤリティを向上させるでしょう。
学生時代に、友達が働いているバイト先(コンビニやファミレスなど)に友達に会うために通っていたが、気づくと常連になっていた、なんて経験はありませんか?
IKEAの「The Co-Worker Game」でも、このような感覚で自然とIKEAとROBLOXユーザーとの間にエンゲージメントが形成される可能性は大いに考えられます。
「The Co-Worker Game」について、Country People and Culture Managerのダレン・テイラー氏は次のように述べています。
「私たちは、ロブロックスで有給の仕事を開始することに興奮しています。
これにより、私たちがどのようにキャリアを異なる形で実現しているかを紹介し、IKEA独自のキャリア哲学を具体化します。
IKEAでは、キャリアの進展に決まったルートはありません。私たちの従業員は、役割を変更したり、部署を移動したり、自分が選んだ方向に成長することができます。
これはゲーム内でも現実世界でも同様です。IKEAには学び成長するための多くの方法があり、それがロブロックスのIKEAの魅力です。」
IKEAがROBLOX上で展開する「The Co-Worker Game」は、新しいマーケティング手法を取り入れた革新的な取り組みです。
この戦略はメタバースにおける企業コンテンツの新しい可能性を示しており、今後他の企業のメタバースマーケティングにも影響を与えるかもしれません。
「The Co-Worker Game」の今後の展開にも注目していきたいと思います。
- 2024-06-12
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